施設に入所される方はご高齢であり、身体面・精神面ともに若い頃に比べると衰えてしまいます。
高齢者を取り巻く問題と対するケアについて、シリーズでご紹介させて頂きます!!
まず第1弾は「認知症」についてお話させて頂きます。
認知症とは「いったん正常に発達した知的機能が持続的に低下し、社会生活に支障をきたすようになった状態」と定義されています。
認知症と聞くと物忘れなど記憶力の低下をイメージする方は多いと思いますが、その他にも日常生活での失敗が多くなった、怒りっぽくなった、表情の変化が乏しくなった等の症状も認知症の特徴として現れます。
では、そういった症状の背景には何があるのでしょうか?
認知症の初期段階では、自分の衰えについて自覚している方がほとんどです。なので普段出来ていることが出来なくなってくると不安になってきます。
加えて物忘れから同じことを何度も聞くようになると、介助者は何度も同じことを聞かれることに対して邪険に扱ってしまうこともあります。しかし本人は覚えていないので、理由が分からずイライラしてしまいます。
このようなことが繰り返されると徐々に他者との関わりが減っていき、認知症進行の悪循環が生まれてしまいます。
このことから、認知症の進行には本人の問題だけではなく、取り巻く環境も影響することが分かります。
それぞれの不安や孤独といった精神状態の背景を理解したうえで、安心・安全を提供することが認知症ケアの基本となります。
具体的なケアの方法は老年期ケアシリーズ「認知症1-2」でご紹介します。