今回は認知症ケアの方法について、「①見る」「②話す」「③触れる」の3つの視点でお話します。
①見る
認知症の方や高齢者は身体機能の低下から、車椅子で移動される方も多くいます。そのような方に対して、ケアを行う側が高い位置になる場面があり、目線は見下ろす形になってしまいます。そのような位置関係では見下された印象を与えてしまうかもしれません。同じ目線、正面から、近い距離で相手を見ることでポジティブな印象が伝わるとともに、認知症の方にも認識してもらいやすくなります。
②話す
赤ちゃんに対して話しかける声のトーンを考えてみます。優しく、穏やかに話しかける人がほとんどではないでしょうか。反対に不仲な関係性では、声のトーンは高くなり、攻撃的な話し方になるかもしれません。そのような話し方では内容が優しくても、ネガティブな印象を与えてしまうかもしれません。赤ちゃんに対しての話しかけ方と述べましたが、赤ちゃん言葉を使うのはNGです。優しく、穏やかに話しかけながらも、目上の方に対する尊敬の念は大切です。
③触れる
直接肌が触れ合うため、感情が伝わりやすいです。指先のような狭い面では相手に与える圧力は強くなり、痛み等のネガティブな印象を与えてしまいます。反対に手を広げて触れる面を広げることで相手に与える圧力は弱くなります。加えてゆっくり、柔らかく触れることで、安心感を伝えることが出来ます。
お気づきの方もいるかと思いますが、これらは認知症の方に対する特別な方法ではなく、普段私たちが友人や家族に対して無意識に行っていることばかりです。「認知症だから」と特別視するのではなく、認知症の有無に関わらず、ポジティブな印象を持ってもらえる関わりを選択することが、認知症ケアに繋がります。
※参考著書
本田美和子、イヴ・ジネスト他:ユマニチュード入門:2014